満員電車で仕方がないことは分かっていてもくっついてくる人が気持ち悪いと思ってしまう、買い物に言った先で店員さんがやけに近くに寄るので落ち着かない。
こんな風に、人は他人との距離によって心理状態に影響が生まれるものです。
人には「踏み入られると不快に感じる空間」というものがあり、これを【パーソナルスペース】といいます。
人との距離感、その人に対する親近感といった心理効果に影響を与えるパーソナルスペース。
もちろん、復縁をはじめとした恋愛でも大いに役に立ってくれます。
この記事では、そのパーソナルスペースを用いて復縁するためのテクニックをご紹介します。
4つのパーソナルスペース
まずはパーソナルスペースについてもう少しだけ詳しく見ていきましょう。
Wikipediaによると、アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは、パーソナルスペースには大きく分けて「4つのゾーン」があるとしました。
そして、その4つをさらに近接相(比較的近い方)と遠方相(比較的遠い方)の2つに分類したと言われています。
密接距離
密接距離は恋人や家族など、心から信頼している相手にしか許せないほど近い距離のことを言います。
さらに具体的には、
- 近接相(0~15cm)
- 遠方相(15~45cm)
この2つに分けられ、抱きしめたり、手で相手に触れるくらいのことは簡単に出来るような距離となっています。
満員電車やぎゅうぎゅうの行列が不快に感じやすいのは、こういった密接距離に赤の他人が入り込んでしまうからなのでしょう。
固体距離
一番一般的なパーソナルスペースであり、これはある程度親しい友人や、面識のある人と話すくらいにベストと言われている距離感です。
- 近接相(45~75cm)
- 遠方相(75~120cm)
という定義がされていますので、
- カフェやファストフードなどの小さいテーブルで向かい合って話す距離
- 立ち話しをする距離
とイメージすると分かりやすいかもしれません。
狭いカフェなどで一緒にお茶をしている友人が何となくソワソワしているようだったら、その人とはまだ本当の意味では打ち解けきれていないのかもしれませんね。
社会距離
社会距離は、ビジネスの場やあんまり親しくない間柄で適した距離だと言われています。
- 近接相(1.2~2m)
- 遠方相(2~3.5m)
公式な商談や面会では、これくらいの距離が一番いい距離感ですよね。
事実、大手企業などの入社面接ではこの距離を参考にして面接官と採用希望者の立ち位置が決められているようです。
1m以上の距離がありますので、実際に距離をイメージしてみると結構離れていると分かると思います。
ですが、離れている分お互いのパーソナルスペースを犯さないので、どちらも不快になることはないという安定の距離感ともいえます。
公衆距離
「公衆」という言葉からイメージされるように、個人と個人の繋がりがまるでない人同士が安心していられるような距離感です。
- 近接相(3.5~7m)
- 遠方相(7m以上)
この距離から見ても分かるように、1対1の会話には適していませんよね。
例えば公衆の前で演説するときや、アーティストのライブにおける観客との距離をイメージすると分かりやすいでしょう。
パーソナルスペースは男女で捉え方が違う
実は、パーソナルスペースはその人の性格によっても大きく変わると言われています。
明るい性格の人はパーソナルスペースが狭く、どんな人に対しても近くに寄ることができます。
しかし暗い性格の人やネガティブな性格の人はパーソナルスペースが広いので、あまり他人を自分のそばに寄せようとしませんし、自分からも近寄ろうとできません。
こんな風にパーソナルスペースは人によって差が生じるのですが、男性と女性という性別でも大きな違いがあります。
特に復縁の場合はこの性別による捉え方の違いが大きなポイントになりますので、意識しておきましょう。
男性のパーソナルスペースの捉え方
男性のパーソナルスペースは前方に長いといわれています。
つまり真正面に立ったり座ったりすると、パーソナルスペースに侵入しやすいということです。
一度別れてしまった元彼にとって、今のあなたにはちょっと苦手意識を持っていたり、できれば多少の距離は取りたい存在のはず。
そのため、元カレと会うときには、元カレの前ではなく横や斜めに位置するようにすると良いでしょう。
元彼に対しては、
- 前方向には社会距離の近接相(1.2~2m)位の距離
- 横方向には固体距離の近接相(45~75cm)
これくらいの距離を意識しておくことをオススメします。
女性のパーソナルスペースの捉え方
男性が前方に向けてパーソナルスペースが長いのに対して、女性は横にパーソナルスペースが長いといわれています。
しかし、ここで注意点があります。
どちらかというと男性よりも女性の方がパーソナルスペースが広いのです。
また、横に長いといっても楕円のようなスペースの取り方をしていますので、「パーソナルスペースが横に広いなら前にいれば大丈夫だな!」と早合点しないように気をつけましょう。
ですので元カノに対しては、
- 前方向には社会距離の近接相(1.2~2m)
- 横や斜め方向には固体距離の遠方相(75~120cm)
これくらいの距離は最低限でも取るように気をつけましょう。
なぜ女性の方がパーソナルスペースが広いのかというと、女性には力がないので、男性よりも本能的に警戒心が強い傾向があるためです。
そのため、もし別れた原因にあなたからの暴力といった事情があるのであれば、さらに警戒心は強くなっているでしょうから、より大きめに距離を取らなければなりません。
パーソナルスペースを利用して復縁しよう
パーソナルスペースの詳しい部分、そして男女の捉え方の違いを理解したら、本題のパーソナルスペースを利用した復縁について考えていきましょう。
近寄った時のお相手の態度で今の心の距離を見極める
パーソナルスペースを利用すれば、元カレや元カノがあなたにどの程度の信頼を持ち、親近感を持っているかが分かります。
具体的な方法としては、あなたが近づいた時に、
- 一歩後ろに下がる
- 体を後ろにそらす
- 体をそらす
- ジェスチャーをしていた手を引っ込める
- 腕を組む
- 座りなおす
このような仕草が見られたら要注意です。
こういった反応は、その距離感だと警戒心や不快感を感じているということの表れだと心得ましょう。
しかし、逆にあなたが近づいてもお相手が距離を取ろうとしないようであれば、かなり信頼関係は回復していると判断できます。
パーソナルスペースは無意識の反応が表れやすいので、よく観察すればお相手の感じていることがよくわかるでしょう。
パーソナルスペースの使い分けがキモになる
冒頭でもお話しましたが、パーソナルスペースは「不快に感じる距離」です。
いわば他人に対して自分が近づくことの許せる距離の限界をあらわしています。
だからこそ親しい人に対してのパーソナルスペースは狭まりますし、ネガティブな感情を持つ相手や、あまり親しくなかったり、個人的な繋がりがない人に対してはパーソナルスペースは広くなります。
どんな人でも別れた相手、特に自分が振った相手に対しては、
- 「この人は自分を傷つける存在だ」と思う警戒心
- 「ヨリを戻したいと言われるんじゃないだろうか」という疑いの心
- 「もう別れたから他人になってしまった」という割り切った心
こういった心を持つものですから、いくら今までは密接距離(0~45cm)で隣を歩いたり、お互いに触れ合うことができていたとしても、別れたあとはその狭い距離を維持しようとしてはいけないのです。
復縁したいと思う方からすればまだ気持ちが残っているわけですから、いつまでも近い距離でお相手と一緒にいたいと思うことでしょう。
しかし、一度心を決めたお相手にとっては、その狭い距離感ではパーソナルスペースを犯されてしまい、あなたの存在を不快に感じてしまうのです。
その気持ちの差に気付かないまま復縁活動を続けると、当然どんどんお相手に嫌われてしまいますので気をつけましょう。
のパーソナルスペースではなく、お相手のパーソナルスペースを尊重するよう気を配ってあげると、きっとその人は「あなたといると快適だ」と感じるようになっていきます。
ただし、別れて間もない頃はその距離感が掴みにくいところだと思いますので、
- 別れて間もないうちは大きめに距離を取る
↓
- お相手からの連絡がもらえるようになったら少し距離を縮める
こんな風に少しずつ段階を踏んで距離を縮めていきましょう。
具体的には、最初のうちはできるだけ真正面に座るのを避け、親密度が増してきたら真正面に座る。
何かしらの理由でどちらかがストレスを抱えているときは、無駄なストレスを与えないためにまた真正面に座るのを避けるなど、その時々の感情や関係性にも配慮して座る位置を変えていけるとベストです。
別れたあとは「他人」として大きめに距離を取り、そこから親しくなるにつれて徐々に距離を狭める、その根気よさがお相手に嫌われずに復縁するためのコツになります。
パーソナルスペースに「自然と入り込む」テクニック
これまでは、元カレや元カノのパーソナルスペースに入り込まないことをお話してきましたが、それだけを意識していても復縁はできません。
パーソナルスペースには、そのスペースに入り込むことに慣れさせることで親近感を強くさせるという効果もあるのです。
ですが、お相手が親近感を持っていないのにパーソナルスペースに入り込めば、これまでにお話しているようにお相手に負担を感じさせてしまいますよね。
そこで重要となるのが、お相手も気付かないうちにパーソナルスペースへ「自然と入り込む」テクニックです。
自然と入り込むためには、
- お相手があなたが「近くにいる」ということを意識しすぎない環境にする
- 「そばにいても仕方がない」と思える環境を作る
この2つの条件を満たす必要があります。
条件などと言うと難しく聞こえるかもしれませんが、すごく簡単なテクニックなので安心して下さいね。
例えば映画を一緒に観にいくこと。
二人で観にいけば、基本的に座席は隣同士になりパーソナルスペースが近づきます。
しかも、上映が始まればお相手も映画の本編に夢中になるでしょうから、そばにあなたがいても嫌な気持ちになることがありません。
他にも、
- 対面ではなく、バーなどカウンター席で食事をするところに行く(お酒の力を借りる)
- お祭やイベント、音楽フェスなど人が多く、混んでいるところに行く
- チームでやるスポーツを一緒にする(ハイタッチや作戦会議などで自然に近づく)
こういった方法もあります。
デートの中味を詳細を突き詰めていけば、元カレや元カノとの信頼を深められるか、そうでないものがはっきりしてきます。
デートをしたり、何らかの事情でどうしても会う必要があるときには、こういったところまで考えてプランを練っていきましょう。
パーソナルスペースは体の距離だけじゃない?
パーソナルスペースを駆使するのに体の距離だけを意識していてはいけません。
たとえ元カレ、元カノとの関係性に合わせて適切な距離を取って接していたとしても、
- 体毛の処理不足
- 匂い
こういったものがお相手に伝わってしまうようであれば、相手のパーソナルスペースを侵してしまうことになるのです。
復縁したい相手と会うのですから最低限の身だしなみは整えているかと思います。
ですが、こういった部分は自分だけでは分かりにくいところでもありますから、十分に注意を払いましょうね。
パーソナルスペースをマスターして復縁しよう
その人が感じている距離感というのは目に見えるものではなく、本人にしか分からないことですから難しいですよね。
ですが、今回ご紹介したような距離感を意識していれば、まずお相手にこれ以上嫌われることもなく、上手に活用すれば信頼関係を深める事だって出来るのです。
パーソナルスペースをマスターし、元カレや元カノとの復縁に役立てて下さいね。
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