離婚した夫婦がよりを戻すことは、恋人同士がよりを戻す以上に大変です。
結婚とは個人の結びつきだけではなく、家族と家族の結びつきとも言われるほど信頼が必要なものですから、その信頼を裏切ってしまった代償はやはり高くつくでしょう。
ただ、離婚した夫婦でも再婚するケースは多く、離婚した場合でも復縁することは出来ます。
その為、夫婦間専門の復縁工作などでは「一度思い切って離婚してしまった方が良いですよ」とアドバイスするとも言われています。
しかしやはり再婚・・・となると面倒なことも多いですし、気が重いのが現実ですよね。
離婚に踏み切るその前に関係を修復できるに越したことはありません。
離婚したくないなら、夫の理由や心理を踏まえて話し合いが出来ると良いですし、離婚回避する方法についてお話しします。
まずは話し合いの場を作るためにできること
離婚回避のためには、旦那さんの心理を知ったり、話し合いの場を設けることが必要になります。
現段階ですでに夫婦の会話がほぼなく、目も合わせない・・・というような状況になっていると、改めて話し合いの場を作るというのも相当難しいでしょう。
そこで、まずは話し合いの土台を作るためにできることを考えていきます。
不安に負けず、旦那を自由にしてあげる
人は自分に自信がないほど相手を束縛してしまうと言います。
特に離婚がちらついている今のような状態ですと、相手の気持ちも分からなくて不安になっているでしょうし、その分束縛してしまいそうになることもあるでしょう。
しかしやはり、束縛しすぎると相手は当然嫌な気持ちになります。
過度なストレスを与えることで、相手は離婚したいという気持ちをよりいっそう強くしてしまうようになるのです。
それでは逆効果ですよね。
ですので、旦那は旦那、自分は自分と依存しないように心を奮い立たせるようにしてください。
そうすることで、相手もストレスが溜まりにくくなるので、居心地が良くなり、話し合いのようにあなたに向き合おうとする気持ちが生まれます。
また、自分本位の行動をしないこともとても大切です。
例えば「ストレス発散のため!」として好きなものを無駄に買ったり、相手には「休日は家事をやって」「仕事で疲れてても子供の面倒は見て」とルールで縛り付けた、ということはなかったでしょうか?
もし思い当たる部分があれば、今すぐ改善しましょう。
これまでに相手が「~がしたい」「~してほしい」と言った趣旨の発言をしていたのであれば、そういった発言にこそ本心が隠されていますから、積極的に聞き出して反映させていけるとより効果的です。
それがもし、「休みの前日ぐらいは遅くまで飲みにいきたい」というようなあなたの不安を煽るようなものでも、今は受け入れてあげましょう。
あなたが不安から旦那を縛りつけるのではなく、信じて笑顔で送り出す姿勢をアピールすることで、旦那さんの信頼を勝ち取るのです。
一瞬でもいいので顔を合わせる時間を増やす
話し合いの場を作りたいのであれば、積極的に顔を合わせる時間を増やしていきましょう。
心理学的にも、長い時間一緒にいる人の方が心を開きやすいというのは認められているものです。
例えば共働きの場合、あなたが日勤で旦那さんが夜勤なら、どうしても出勤時間にもう片方は寝てるので、誰の見送りもなく出勤してしまう場合が多いです。
他にも、小さなお子さんがいるようであれば旦那さんが帰ってくる前に疲れて寝落ちしてしまうこともあるのではないでしょうか。
普段顔も見ずにいる人と腹を割って話そう!というのは難しいですから、普段から顔を見せ合うことでその余計な緊張感を作らないようにします。
例えばすれ違い生活を解消するために、少し早く起きて「いってらっしゃい」と見送るだけでも十分です。
すると、相手は愛情を感じやすくなり、素直にあなたの気持ちを受け入れやすくなります。
「相手の感覚を知る」を経験してみる
多くの夫婦は、この家事はどちらがやる、家計はどちらが管理する、といったように、夫婦として生活を送る中で役割分担をしているかと思います。
初めはその役割分担に納得していたものの、続けていくうちに徐々に役割の負担が増えたり、当初の計画にはない役割が生まれたりして、
といった押し付けをしようとしてしまいます。
すると相手は、
「働いてないから(家事をしていないから)そんなことが言えるんだ!」
と不満を持つようになり、やがて気持ちがすれ違ってしまうようになるのです。
そこで、例えばあなたが専業主婦ならパートで”働く”ということを経験するというように、旦那さんと似たような感覚を味わってみましょう。
他にも、
- いつもはお願いしていた力仕事をやってみる
- 旦那さんの役割にしていた家庭内での作業を代わりにやってみる
- 何らかの事情で遅い時間に寝るようにしても、毎朝早起きをするという生活を送る
- 「付き合い」として、あまり得意でない人と外食をした後に家の仕事をしてみる
こんな風に、今まで旦那さんが経験していたことに積極的に挑戦していきましょう。
こうして相手の感覚を知ってみると、いざ話し合いの場になった時にも簡単に旦那さんの気持ちに理解を示すことができるようになります。
主観的な見方で一方的に相手を責め立てるのではなく、「こんな気持ちだったんだ」「そりゃ、こういう風に思うよね」と理解を深めた上で話が出来れば、旦那さんもきっとあなたの気持ちを理解しようと意識してくれるはずです。
話し合いの場で意識すべき点
話し合いの場を設けることができたのなら、次は肝心の話し合いで意識すべき点をご紹介します。
離婚を突きつけられた原因を考える
夫婦関係の修復を考えた時、そして、旦那さんの心理を知るためにまず考えるべきことは「離婚を突きつけられた原因」です。
これは話し合いの前にあなた一人で行っておき、話し合いのための「予習」としましょう。
性格の不一致、金銭問題、浮気など最終的な離婚理由はさまざまであったと思います。
自分でも自覚できていれば良いのですが、
- 自覚ができていない場合
- 旦那さんの考えている原因とに相違がある
こういった場合もありますので、旦那さんに言われたことだけを鵜呑みにするのではなく、自分でもしっかり原因を振り返る必要があります。
そして、その原因から改善すべき点を見出しましょう。
しかし、これだけで離婚を回避できるとは限りません。
例えば、旦那さんから「家事をしない」と言われたとしたら、家事をするようになれば良いと言うものではないのです。
ただ家事をして欲しいだけなのなら素直に「やってくれ」といえば済む話ですよね。
そうではなく「離婚」という結論へ進み始めてしまったのは、
- 言ってもやってくれない→「もっと自分を尊重して欲しい」と思う→旦那さんを一家の柱として立てることが必要
- 「やってくれ」というと不機嫌になる→子供のような態度を改めて欲しいと思う→自分中心の考え方を改め大人になることが必要
こんな風に、離婚の原因として言われることのさらに先に、あなたに足りないものがあるためです。
こういった部分まで考えて解決しようと踏み出すことが離婚回避のためには実用不可欠になりますよ。
今のお二人は、夫婦という家族であり、異性として同じ時間を過ごすのは一番長はずです。
それだけに、お互いのことはよく理解できている部分がきっとあるはずですから、旦那さんの不満や意見にだけ意識を向けるのではなく、その先にある
「自分に足りないこと」
を見出し、身につけていきましょう。
離婚回避のための話し合いに必要な心構え
あなたがまだ旦那さんへの愛情を残しているのなら、旦那さんに「別れたい」と言われればどうしても否定的な態度になってしまうと思います。
もちろん、離婚したくないのですから当然です。
ですが、「別れたい」という旦那さんに対して「別れたくない」と伝え続けても根本の解決にはなりません。
それどころか、一時的に話を先延ばしにすることはできても、「(あなた)さんとはマトモに話が出来そうにないな」と思われてしまう可能性があります。
ただでさえ離婚を回避するために良い印象を持ってもらわなければいけない状況なのに、これ以上旦那さんにマイナスイメージを与えてしまってはいけません。
そこで離婚回避ための話し合いの大前提として、
- 旦那さんの言い分を否定しない
- 「どうして別れようと思ったの?」と聞くなど、話し合いの姿勢を見せる
- 感情的になったりしない
このように寄り添いの姿勢や、理解を示すことを忘れずにいてください。
旦那さんの言葉に焦ってとにかく旦那さんの考えを改めさせようとしてしまうと、それだけで喧嘩になったりして関係が悪化してしまいます。
旦那さんが「別れたい」という本心では、「僕の気持ちを分かって欲しい」という気持ちが根本にあることが多いですから、この姿勢を持つだけでも復縁出来るケースは多くあるのです。
心理学的にも認められる、本音を聞き出せる話の聞き方
旦那さんが「離婚したい」と考えた心理を理解するためにも、話し合いではあなたが聞き役に徹し、旦那さんにたくさん話をさせてあげましょう。
旦那さんの話を引き出すための基本テクニックは、【聞く、聴く、頷く】の3つです。
相手が冷たかったり、反応が鈍いことが分かったら、「どうしたの?」「何かあった?」と【聞く】。
旦那さんはその時悩んでいること、思ったことがあればきちんと話してくれるでしょう。
もし悩みごとがなく「なんでもないよ」とはぐらかしてくるようでも、その場を取り繕うために何か話題を提供してくるはずです。
それを【聴く】。
この「聴く」という言葉には、『身を入れて聞く』という意味があります。
どんなに退屈でも、旦那さんが話してくれることを頷きながら【聴き】ましょう。
ここで初めてあなたへの不満を口にしてくるかもしれませんが、ネガティブな感覚を払拭するためにはひたすらに黙って、旦那さんの話に耳を傾け全てに同意することです。
仮に異論があってもここでは抑え、まずは聴いてあげましょう。
頷きながら旦那さんの話を聴くということはつまり、旦那さんの言い分、主張を認めてあげることになります。
人は自分の意見に肯定的である、つまり否定しないでいてくれる人には積極的に本音を話せるようになる傾向があります。
そのため、こうして旦那さんの希望を聞いてあげることも、
とあなたを見直すきっかけになりますので、別れの回避にはかなり強力に働くのです。
旦那さんに謝罪をする
旦那さんから聞き出した別れを考えた原因のなかに、どうしてもあなたに非があることがあれば素直に謝りましょう。
その際には、
- あなたの何が旦那さんを傷つけたのか
- 傷つけたことにどう責任を取るのか
- そのためにこれからどういったことをするのか
この3点をきちんと伝えられるととても好印象になります。
ただ謝るだけ、ブスっとした感じで謝っても逆に旦那さんの印象を悪くしてしまいます。
しっかり旦那さんの目を見て、謝罪をしましょう。
二人の意見のすり合わせをする
直接旦那さんに何がいけないのか、どうしたいのかを聞き出したら、あなたもどうしたいのかをはっきり伝えましょう。
この時に重要なのは決して感情的にならないことです。
あくまでも冷静な話し合いであると伝わらなければ、旦那さんも話し合いが面倒になってまともに取り合ってくれなくなってしまいます。
また、
「そんな考えになるのはおかしい!」
など、旦那さんばかりを責めるように聞こえる言い方も絶対に避けてください。
特に男性は責任を押し付けられるのを嫌いますし、女性と男性は、脳の作りが違う為に考え方も違います。
ですから、話が噛み合わないことも考えがすれ違って喧嘩をするのもすごく当たり前のことなのです。
誰だって意見がぶつかりあって気まずい思いをしたり、争い事は避けたいと思うもの。
きちんと言いにくい気持ちを話してくれた旦那さんに感謝の気持ちを持って、冷静にあなたの気持ちも伝えて話し合いをしましょう。
離婚回避に必要な志は、本当は誰もが持っている
一生を誓い合った夫婦でも、元を辿れば生まれや育ちも違う他人です。
長く生活を共にしていればどこかですれ違いは生じるのは仕方のないことではないでしょうか。
肝心なのは、そういったすれ違いに対してどう対処をするかです。
自分に合わせるよう相手に求めたり、自分を押し殺して無理やり相手に合わせたり、はたまた「違うんだから仕方がない」とそのままにしていれば、必ずどこかで限界がきてしまいます。
きちんとお互いの気持ちを理解する積極的な姿勢、そして、歩み寄ろうとする配慮こそが夫婦の仲を維持するための必要なスパイスです。
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